ノスタルジア

若い頃両親が移ったこの街には

新しい家族で溢れていたらしい


白い団地の中の狭い公園には

競うように大きな声が響いていた


小さい子供達は笑い声だけでなく

泣きじゃくるそんなことはいつもの事


悪い事すれば大人達の叱る声

あの怖いおっちゃんが懐かしくてたまらない


綺麗な緑もそこから見えなくて

小川のせせらぎも聞こえないけれど


生まれ育った街をふるさとって呼ぶのなら

この街なのは紛れもなく疑いもない



急いでこの街を離れていったあいつが

新しい家族連れて帰ってきたってね


おぼつかない足取りで歩く子供の手を

お父さんでなくおじいちゃんが引いてた


灰色の団地と色あせたすべり台

思い出と引き換えにくすんでしまったかも


この街が生まれ変わる便りを耳にした夜

さみしくて時の流れ少し恨んだんだ


大自然に満ち足りた場所でないけれど

ここで過ごした日々が自然だったんだ


失いたくない街をふるさとって呼ぶのなら

この街なのは紛れもなく疑いもない